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セルフケアについて 1(前半)

この動画の概要

家族向け講座(全8回):2回目

今回は「感情」について掘り下げ自身のリストを作ってみる事で、前向きになれたり心に余裕が持つことができます。
その実践方法をと共に解説していきます。

・まずは自身からポジティブになる
・ラッセルの感情の円環モデルについて

動画チャプター
0:21 「関わり方に正解はない(前回の復習)」
2:18 「自分自身からポジティブに」
3:19 「感情とは・・情動と気分」
6:57 「ラッセルの感情の円環モデル」

1. 家族間の関わり方に正解はない

まず、前回の復習から始めましょう。
家族間の関わり方には正解がないということをお話ししました。
それぞれの家庭、それぞれの立場から見た関わり方は異なります。

お父さんの立場、お母さんの立場、子供の立場、夫婦の関係性など、それぞれの視点から見た関わり方は異なります。
そのため、“これを言えば絶対に正解”ということはありません。

大切なのは、それぞれの家庭での関わり方を試しながら、どの話題が盛り上がるのか、どの立場でどのスタンスで話しかければ相手が心を開いて話してくれるのか、そういったアイディアを試していくことです。

うまくいったものはそのまま続け、うまくいかなかったことは悪循環を断ち切るためにやめる、そういった試行錯誤を繰り返していくことが大切です。

2. ポジティブな気持ちを保つために

次に、ポジティブな気持ちを保つためにはどうすればいいのか、その方法についてお話しします。

まず、ネガティブな感情のままでは新しいアイディアがなかなか湧いてきません。
そのため、まずは自分自身からポジティブになることが大切です。
ポジティブな気持ちになることで、新たなアイディアが湧いてきます。

家族の中に依存症の方がいる場合、その問題を一旦置いて自分が幸せになる、ポジティブになるということに抵抗感があるかもしれません。

しかし、依存症の回復を目指すための第一歩は、問題を認識している自分自身がまずは幸せで、ポジティブな状態であることが大切です

3. 感情について理解する

感情について理解することも大切です。
感情は大きく2つに分けることができます。

1つ目は「情動」、これは特定の出来事に対する感情のことを指します。
例えば、急いでいるのに赤信号になったときのイライラなどがこれに当たります。

一方で、何も起こっていないのに朝からテンションが低いと感じるなど、出来事に左右されずに長期的に同じ状態が続いている感情を「気分」と呼びます。

これらの感情は相互に影響を及ぼし合います。
情動は気分に影響を与え、気分もまた情動に影響を与えます。
例えば、気分が安定して高い状態のときは、ネガティブな出来事があっても持ち直す力が働きます。

逆に、気分が低い状態のときは、どんなに良いことが起こってもその良い瞬間に引っ張られてしまうことがあります。

4. ポジティブな出来事を思い出す:幸せな記憶の力

依存症を抱える家族がいると、自分だけがポジティブな気持ちになることは不可能だと感じるかもしれません。

しかし、その中でも、自分自身の心を明るく保つための方法があります。
それは、ポジティブな出来事や思い出を思い出すことです。

ポジティブな出来事の力

人間の心は、過去の経験や思い出に大きく影響を受けます。
特に、ポジティブな出来事や思い出は、私たちの心を明るくし、気分を上げる力があります。
たとえば、幸せだった記憶、達成感を感じた瞬間、愛されていると感じた時など、そういったポジティブな出来事を思い出すことで、心の中に明るさを取り戻すことができます。

ポジティブな出来事を思い出す試み

依存症を抱える家族がいる場合、日々の生活が困難で、ポジティブな気持ちになることが難しいかもしれません。
しかし、そういった状況の中でも、ポジティブな出来事を思い出す試みをすることが大切です。

たとえば、日記をつけてポジティブな出来事を記録する、写真を見て幸せだった瞬間を思い出す、好きな音楽を聴いて心地よい気分になる、などの方法があります。

少しずつその感情を変換していくことが可能です。

5. 感情を理解し、コントロールする:ラッセルの感情の変換モデル

感情を理解し、自分の感情をコントロールするための一つのツールとして、「ラッセルの感情の変換モデル」を紹介します。

このモデルは、感情を単純化した分け方で、感情を4つのグループに分けることが可能です。

ラッセルの感情の変換モデルとは?

ラッセルの感情の変換モデルは、感情を理解しやすくするためのツールです。

このモデルでは、感情を縦軸と横軸の2つの軸で分けます。
縦軸は「覚醒」と「非覚醒」、横軸は「心地良さ」と「不快さ」です。
これにより、感情は4つのグループに分類することができます。

依存症と感情の変換

依存症を患っている方は、不快な感情を回避するために依存対象に没頭します。
これは、不快な感情から逃れるための一つの方法です。
しかし、この方法は一時的な解決策であり、長期的な解決策ではありません。

一方、ポジティブな出来事を思い出すことで、少しずつその感情を変換していくことが可能です。
これは、感情をコントロールし、自分の心の状態を改善するための一つの方法です。

次回のテーマ

以上が、家族編のセルフケアについてのお話でした。
次回も引き続き、家族編のセルフケアについてお話ししますので、お楽しみに。
次回のテーマは、「家族間のコミュニケーションの改善方法」についてです。
どうすれば家族間のコミュニケーションを改善できるのか、具体的な方法をご紹介します。

第1回 依存との関わり ~家族側の関わり方~(前半) | 依存との関わり ~家族側の関わり方~(後半)
第2回 セルフケアについて 1(前半) | セルフケアについて 1(後半)
第3回 セルフケアについて 2(前半) | セルフケアについて 2(後半)
第4回 家族を知る
第5回 依存との関わり「コミュニケーションのタイミングを知る」
第6回 最適なコミュニケーション
第7回 コミュニケーションガイドライン(前半) | コミュニケーションガイドライン(後半)
第8回 ルールを決める

 

出演者プロフィール

片桐 敦(かたぎり あつし)
一般財団法人ワンネスグループ 心理カウンセラー

学習塾での講師経験を経て、心理カウンセラーに。心理カウンセラー歴は18年。
クライアント向けのカウンセリング、心理学講座、また一般の方向けにアディクションカウンセラー講座などを担当。
心理療法(臨床心理)だけでなく、他の心理学の分野、脳科学など様々な方面から依存症回復支援のための具体的な方法論を初心者から、すでにプロで活躍している方にまで分かりやすく解説する指導が定評。

 

相談についてのお問い合わせ

依存かもしれないとお困りの「ご本人」へ |ワンネス財団
依存でお困りのご家族の方へ |ワンネス財団
仕事のなかで「依存の問題を抱えている方」と関わられている皆さまへ |ワンネス財団

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