アルコール行動変容ステージ:関心期
この動画の概要
依存脱却のプロセス アルコール編(全5回):2回目
■行動変容ステージモデル
どのステージにいるかによってご家族・ご本人それぞれの働きかけが必要です。
アルコールによって何らかの問題が出ていることに気付き「このままでいいのだろうか」と葛藤している状態。
辞めたくても辞められない板挟みの状態を「関心期」といいます。
今回はその関心期について解説していきます。
1:41 関心期とは?
2:32 根本原因に気付き始める
3:45 変わりたいけど、やめたくない
4:37 ご家族の関わり方としてできること
6:00 ご家族の方のモデルケースを学ぶ
6:40 家族会や体験動画からヒントを
8:00 思い当たるところはありませんか?
10:31 ご家族自身に心の余裕を
アルコール依存症からの脱却:「関心期」を理解する
依存症とは、特定の物質や行動に対して強い欲求を感じ、それをコントロールすることが難しくなる状態を指します。
依存症は、物質依存(アルコールや薬物など)と行動依存(ギャンブルやインターネットなど)に大別されます。
依存症は、その物質や行動なしには日常生活が送れないと感じるほど、強い欲求が生じます。
特にアルコール依存症は、お酒をやめることが難しく、その結果、健康や人間関係、仕事などに悪影響を及ぼすことがあります。
アルコール依存症の人は、お酒を飲まないと身体的な不調を感じたり、お酒を飲む量が増えていったりします。
また、お酒を飲むことで起こる問題を解決するためには、お酒をやめることが必要ですが、それが難しいというジレンマに直面します。
依存症の「関心期」とは?
依存症の脱却プロセスにはいくつかのステージがありますが、その中の一つが「関心期」
関心期とは、依存症の問題に気づき始め、自分の行動を変えようと考え始める時期のことを指します。
しかし、この時期はまだ具体的な行動を起こしていない段階です。
行動を変えることについては関心があるものの、具体的な行動実行はしていないという状態です。
このステージの特徴は、
本人は自分の健康や人間関係に問題が生じていることに気づき始め、その原因が自分がお酒を控えることができないことにあると認識し始めます。
一方、家族側は「このままでいいのだろうか」と疑問を持ちやすく、関わり方を見直す必要性を感じ始めます。
本人の問題解決に向けて様々な手段を講じてきたが、それが結果的に問題解決につながっていないことに気づき、この関心期は、問題認識と解決への意欲が高まる重要な時期と言えます。
関心期の対応方法
関心期における対応方法としては、本人が行動を変えていくことによってどのようなメリットが得られるのかを理解することが重要です。
例えば、アルコールをやめることで健康状態が改善される、人間関係が良好になる、仕事のパフォーマンスが上がるなど、具体的なメリットを提示することで、本人の行動変容を後押しすることができます。
また、依存症から脱却した人々の成功事例(モデルケース)に相談したり、話を聞いたりして触れることも有効です。
これらの事例を通じて、本人や家族は問題解決のための具体的なアイデアやヒントを得ることができます。
成功事例は、依存症からの脱却が可能であることを示す希望の光ともなります。
さらに、家族自身が心の余裕を持つことも重要です。依存症の問題を抱える本人と常に対峙していると、感情的になりがちで、その結果として本人の意欲をそいでしまう可能性があります。
そのため、家族自身が心の余裕を持つための支援を第三者に求めること、趣味などに没頭することで心の余白を作ることが推奨されます。
まとめ
依存症からの脱却は容易なことではありませんが、適切な理解と対応があれば、確実に前進することが可能です。
関心期はその一歩となる重要なステージです。本人が問題に気づき、行動を変えようと考え始めるこの時期に、家族が適切なサポートを提供することで、依存症からの脱却への道筋が見えてくるでしょう。
依存症は一人で抱え込むものではありません。
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以上、アルコール依存症からの脱却についての記事でした。
依存症は一人で抱え込むものではなく、適切な支援と理解があれば、必ず克服することができます。
この記事が、依存症からの脱却を目指す一助となれば幸いです。
第1回 行動変容ステージモデル:無関心期
第2回 行動変容ステージモデル:関心期
第3回 行動変容ステージモデル:準備期
第4回 行動変容ステージモデル:行動期
第5回 行動変容ステージモデル:維持期
※ 行動変容ステージモデル概要はこちら
出演者プロフィール
三宅隆之(みやけたかゆき)
ワンネス財団共同代表
1974年長野県生。自身がギャンブル・アルコール依存に苦しんだ経験から、依存など様々な生きづらさからの回復・成長支援に取り組んでいる。ギャンブル依存等の問題に対応するための国際カウンセリング資格(IGCCB)を日本国内へ導入。
市民向けや学校向けのセミナーを全国各地で開催。大阪府・市ギャンブル等依存症対策研究会専門委員。
自身の可能性を信じることができなかったかつての自分の姿から、「可能性を閉じ込めず、可能性を信じ、自由に発揮できる世の中」をつくるため活動している。
・精神保健福祉士/国際問題ギャンブルカウンセラー
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