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アルコール行動変容ステージ:維持期

この動画の概要

依存脱却のプロセス アルコール編(全5回):5回目

■行動変容ステージモデル
どのステージにいるかによってご家族・ご本人それぞれの働きかけが必要です。
アルコールを辞めるにあたり具体的な方法を取り始めている。
軌道にのっている状態の事を「維持期」といいます。

今回はその維持期について解説していきます。

1:05 維持期とは
1:21 少しずつ物事の見方が変わってくる
3:10 断酒をして課題に気づけるように
4:10 自分の内面から生き方を育てていけるように
5:50 ご家族はご家族自身の内面と向き合う
7:13 再発に関して:珍しいことではない、学びの機会と捉える

維持期とは?

維持期とは、アルコール依存症からの回復に向けた最終のステップを指します。
具体的な例ですと、お酒を飲まずに健康的な生活を6ヶ月以上続けることができた段階を指したりします。
アルコールなしで生活できたんだという自信を育てるための大切な時間となります。

この自信があることで、再びアルコールに手を出すこと(再発)を防ぐ強い基盤を作ります。

例えるなら、マラソンのトレーニングに似ています。
最初は短い距離から始めますが、徐々に距離を伸ばしていき、最終的にはフルマラソンの距離を走れるようになります。
それと同じように、アルコールを飲まない生活も最初は難しく感じるかもしれませんが、時間をかけて自信をつけていくことで、アルコールなしで生活できるようになります。

維持期に入ると、人々の視点や考え方が変わり始めます。

アルコールをやめた時の焦りや不安、自分の人生においてアルコールがなぜそんなに重要だったのか?
なぜ自分はアルコールを飲まなければならなかったのかという自己反省の時間に向かいます。

この自己反省の時間は、自分自身のアルコール依存症について深く理解し、自分の行動や考え方を改善するための重要なステップとなります。

これは、自分の行動や考え方を見直すことで、自分がどうしたいのか、どうあるべきなのかを見つける旅のようなものです。

この旅を通じて、自分自身をより深く理解し、より健康的な生活を送るための新たな道を見つけることができます。

再発とは?

「アルコール依存症からの回復の過程で、一時的にアルコールを飲んでしまうことを再発と呼びます。
回復プロセスがまだ完全には終わっていないことを示す現象です。
しかし、再発は必ずしも失敗を意味するわけではありません。

再発を経験することは、自分自身の課題や問題に気づき、それを克服するための新たな機会となります。
自転車に乗ることを学ぶときの例を考えてみましょう。
最初は何度も落ちるかもしれませんが、そのたびに何がうまくいかなかったのかを学び、次には同じミスを繰り返さないようにします。
同様に、再発もまた学びの機会です。

再発を経験した人は、自分の人生のあり方や向き合い方について、新しい気づきを得ることができます。

再発は、自分を知り、自分を変えるための大切な機会となることができます。
これは、自分の問題点や改善点を見つけ、それを克服するための新しい一歩とも言えます。

家族との関係性

アルコール依存症の回復過程は、本人だけでなく家族全体の関与と協調が必要です。
これは、家族全員で山に登るようなものです。
一人の家族がアルコール依存症から抜け出そうとすると、その人の行動や態度に変化が起こります。
その変化に対して、家族は適切に対応し、支える必要があります。

ただし、家族が本人に対して自分の考える理想像を押しつけることは控えるべきです。
これは、山登りで一人の家族が他の家族に自分の歩みを強いるようなもので、それは本人にとってストレスとなり、回復を妨げる可能性があります。

家族は自分の幸せを大切にすることも必要です。
これは、登山で自分に合ったスピードで歩き、体力を温存するように、自分のペースを見極めることです。
本人が飲酒をやめるかどうかと、家族の幸せは必ずしも同じではないということを認めることが大切です。
家族が自分の幸せを大切にすることで、本人との関係も良好なものになります。

まとめ

アルコール依存症の回復過程には、維持期と再発という段階があります。
これらの段階を把握し、それぞれがもたらす学習のチャンスを活かすことで、健康で充実した生活を送ることができます。
また、家族もこの過程に関わっており、自分の幸せを大切にすることで、本人との良好な関係を築くことができます。

アルコール依存症の回復は簡単な道ではありませんが、適切なサポートと理解があれば、より良い未来へと進むことができます。

この記事が、アルコール依存症の回復を目指す方々やその家族の方々にとって、その道を明るく照らす助けになれば嬉しいです。

第1回 行動変容ステージモデル:無関心期
第2回 行動変容ステージモデル:関心期
第3回 行動変容ステージモデル:準備期
第4回 行動変容ステージモデル:行動期
第5回 行動変容ステージモデル:維持期

※ 行動変容ステージモデル概要はこちら

出演者プロフィール

三宅隆之(みやけたかゆき)
ワンネス財団共同代表

1974年長野県生。自身がギャンブル・アルコール依存に苦しんだ経験から、依存など様々な生きづらさからの回復・成長支援に取り組んでいる。ギャンブル依存等の問題に対応するための国際カウンセリング資格(IGCCB)を日本国内へ導入。
市民向けや学校向けのセミナーを全国各地で開催。大阪府・市ギャンブル等依存症対策研究会専門委員。
自身の可能性を信じることができなかったかつての自分の姿から、「可能性を閉じ込めず、可能性を信じ、自由に発揮できる世の中」をつくるため活動している。

・精神保健福祉士/国際問題ギャンブルカウンセラー

相談についてのお問い合わせ

依存かもしれないとお困りの「ご本人」へ |ワンネス財団
依存でお困りのご家族の方へ |ワンネス財団
仕事のなかで「依存の問題を抱えている方」と関わられている皆さまへ |ワンネス財団

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