アルコール行動変容ステージ:準備期
この動画の概要
依存脱却のプロセス アルコール編(全5回):3回目
■行動変容ステージモデル
どのステージにいるかによってご家族・ご本人それぞれの働きかけが必要です。
アルコールを辞めるにあたり、一か月以内に行動を変えようと思っている。
依存脱却に向けた情報や方法を探すなど、実際に行動には移せていないが、準備するために活動している状態を「準備期」といいます。
今回はその準備期について解説していきます。
0:38 準備期とは?
2:35 せっかくの計画も大概は”自己流”である
3:45 結果的に、行動がうまくいかない
5:17 適切なタイミングで家族の思いを伝える
5:57 伴走者と不安を一つ一つ確かめていく
8:02 毅然とした態度・介入に向けた心理的経済的な準備
9:25 助言のためにどんな準備をするのか
10:08 適切なタイミングについて
10:34 適切な助言者は?
アルコール依存症の脱却プロセス:準備期
今回はアルコール依存症の脱却プロセスの一部、準備期についてお話しします。
このモデルは、無関心期、準備期、行動期、維持期の4つのステージから成り立っています。
それぞれのステージは、依存症の脱却に向けた行動変容の過程を表しています。
今回はその中の「準備期」に焦点を当てます。
行動変容ステージモデルと準備期
準備期とは、1ヶ月以内に行動を変えようと思っている段階を指します。
具体的には、お酒をやめる、またはお酒の量を減らすといった行動変容に向けた具体的な行動を実行しようと考えている時期です。
この段階を理解することで、自分自身または大切な人が依存症の脱却に向けてどのような心理状態にあるのか、どのような支援が必要なのかを理解することができます。
準備期の特徴と対応
準備期には、本人が具体的な行動の一歩手前にいる特徴があります。
本人は、お酒をやめることやお酒の量を減らすことの必要性は理解していますが、それが本当に自分にとって良いことなのか、それが可能なのかという不安を抱えています。
この段階では、本人は様々な情報を集め、具体的な行動を始めるための準備をしています。
例えば、ワンネスグループのような相談機関に相談をしたり、具体的な方策を学んだり、自分の地域にある医療機関や民間団体の情報を得たりします。
しかし、この段階では、本人の計画は大抵が我流であり、不安がベースになっています。
そのため、具体的な行動を始めてもうまくいかない、または高すぎる目標を設定して取り組めない場合があります。
このような状況では、本人に対して、相談を受け、具体的な行動を立てるための伴走者を得ることを推奨します。
また、家族も、本人が情報を集め、行動を始める一歩手前にいることを理解し、期待と焦りを抑えることが重要です。
家族の役割と対応
家族は、本人が情報を集め、行動を始める一歩手前にいることを理解し、期待と焦りを抑えることが重要です。
家族が本人に対して期待を持ちすぎ、結果をコントロールしようとすると、本人はさらにプレッシャーを感じ、行動を起こすことが難しくなる可能性があります。
家族ができることは、本人が行動に移せていない状況に対して、本人の不安を解消し、行動を始めるためのサポートを提供することです。
また、本人が行動を起こさない結果に対して、本人に責任を負ってもらう状況を作り出すことも重要です。
これは、本人が自分自身の行動とその結果に対する責任を理解し、自分自身の行動をコントロールする力を育てるためです。
まとめ
準備期は、依存症の脱却プロセスの重要なステージです。
本人は、行動変容に向けた具体的な行動を始めるための準備をしていますが、不安や疑問を抱えていることが多いです。
この段階では、本人自身、家族、そして支援者が一緒になって、情報を集め、不安を解消し、行動を始めるためのサポートを提供することが重要です。
依存症の脱却は一人で抱え込むものではありません。
ワンネス財団の相談ダイヤルは、依存症の専門スタッフに直接相談できる無料の電話窓口です。
ご家族やご本人、支援者の方からのご相談を承っています。
私たちに寄せられる相談は年間5000件以上です。
抱えている悩みに合わせたスタッフが対応します。
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依存症の脱却は一歩一歩の積み重ねから始まります。準備期はその重要な一歩です。
この記事が、あなた自身またはあなたの大切な人の依存症の脱却プロセスを理解し、行動を始めるための一助となることを願っています。
参考リンク
おわりに
依存症の脱却は一歩一歩の積み重ねから始まります。準備期はその重要な一歩です。
この記事が、あなた自身またはあなたの大切な人の依存症の脱却プロセスを理解し、行動を始めるための一助となることを願っています。
そして、この記事があなたの行動の一歩を後押しすることができれば、これ以上の喜びはありません。
依存症という壁に立ち向かうすべての人々に、勇気と力が与えられますように。
第1回 行動変容ステージモデル:無関心期
第2回 行動変容ステージモデル:関心期
第3回 行動変容ステージモデル:準備期
第4回 行動変容ステージモデル:行動期
第5回 行動変容ステージモデル:維持期
※ 行動変容ステージモデル概要はこちら
出演者プロフィール
三宅隆之(みやけたかゆき)
ワンネス財団共同代表
1974年長野県生。自身がギャンブル・アルコール依存に苦しんだ経験から、依存など様々な生きづらさからの回復・成長支援に取り組んでいる。ギャンブル依存等の問題に対応するための国際カウンセリング資格(IGCCB)を日本国内へ導入。
市民向けや学校向けのセミナーを全国各地で開催。大阪府・市ギャンブル等依存症対策研究会専門委員。
自身の可能性を信じることができなかったかつての自分の姿から、「可能性を閉じ込めず、可能性を信じ、自由に発揮できる世の中」をつくるため活動している。
・精神保健福祉士/国際問題ギャンブルカウンセラー
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