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家庭内でのルール決めと活用方法について

この動画の概要

家族向け講座:8回目(全8回)

今回は相手とのコミュニケーションを図るにはどのようにしたら良いのかを学んでいきます。
相手に対してルールを決めずに問題に取り組んでもらう事が望ましい事である上で、
依存の問題が本人だけでは難しい場合はその一部分に対してルールを決めることが有効の場合もあります。

ルールを決める:依存症への対処法

依存症というのは、ある行動や物質に過度に依存し、それがないと生活が送れないと感じる状態を指します。
依存症は、アルコールや薬物だけでなく、ギャンブルやインターネット、ゲームなど、様々な形で現れます。

依存症からの回復は容易なことではありませんが、今日はその一つの手段として「ルールを決める」という方法についてお話しします。

【目次】
0:28 前提としてルールを決めなくても良ければ決めなくても良い
1:51 家族側がルールを作りすぎてその束縛感から当事者がストレスを抱えることも
2:44 ルールを決める時に大事な事 「オペラント条件づけ」とは?
4:08 罰を与える場合一定の罰を与えること
6:47 研究によると、ギャンブル依存のケースだと金銭的なマイナスに大きな罰を感じない
8:27 ルールを決めた場合、罰ではなく守れた時にご褒美を与える方が有効だという場合もある
9:34 本人が「ルールを守ろう」という前向きな気持ちにさせる心がけが必要
11:46 ネガティブな言葉や態度で責めたりせず、心が通い合うような言葉を選ぶ
12:54 ルールを決める時は本人が問題や後悔を感じている時がベスト
14:03 ルールを決めても上手くいかない場合や、一定の罰が与えられない場合は続けない方がよい

ルールの必要性

依存症から回復するためには、依存の対象以上に健康的に熱中できるものが複数存在する状態が理想的です。
しかし、依存症の問題とは、その理想的な状態に至ることが難しいということです。

そのため、ルールを設けることが有効な手段となることもあります。
ルールを設けることで、依存症の行動を制限し、健康的な行動を促進することが可能になります。

ルールの設定

ルールを設定する際には、心理学で「オペラント条件付け」という概念が役立ちます。
これは、行動を促進したい場合はご褒美を、やめてもらいたい場合は罰を与えるという方法です。
ただし、罰を与える場合は、一定の罰を与えることが重要です。

例えば、門限を1分でも過ぎた場合には、玄関を閉めて自分でホテルを探して一晩過ごすというルールを設けるなどです。
このようなルールを設けることで、依存症の行動を制限し、健康的な行動を促進することが可能になります。

ルールの適用

ルールを適用する際には、罰よりもご褒美を用いる方が効果的です。
例えば、子供のゲームの時間を夜9時までに制限し、それを守れたらご褒美をあげるというルールを設けることで、子供自身がルールを守ろうという前向きな気持ちを持つことができます。

このようなルールの適用は、依存症の行動を制限するだけでなく、健康的な行動を促進する効果もあります。

ルールの提案

ルールを提案するタイミングは、本人が問題を抱えて後悔し、何とかしなければと思っているタイミングが最適です。
そのタイミングで、ルールを設定し、守れたらご褒美をあげるという提案をすると効果的です。

この提案のタイミングを見極めることは、ルールを受け入れてもらうために重要な要素となります。

ルールの維持

ルールを維持するためには、一度決めたルールは絶対に守ることが重要です。

ルールが途中で変わったり、例外で許可したりすると、当事者はルールを破るための様々な言い訳や交渉事を始める可能性があります。
その結果、ルールが意味をなさなくなることもあります。
したがって、ルールの維持は、ルールを設定することと同じくらい重要な要素となります。

ルールの解除

ルールを解除する際には、そのルールがもはや必要ないと判断できる状況が整ったときです。
例えば、当事者が自分でルールを守ることができ、依存症の問題が改善されたときなどです。
ルールの解除は、依存症からの回復の一つの指標ともなります。

ルールの効果

ルールを設定し、それを守ることで、依存症の問題を改善することが可能です。
しかし、ルールを設定することは、一時的な解決策であり、最終的には依存の対象以上に健康的に熱中できるものを見つけることが重要です。

ルールを設定し、それを守ることで、依存症からの回復を助けることができます。

まとめ

依存症からの回復は容易なことではありませんが、ルールを設定し、それを守ることで一歩を踏み出すことができます。
ルールを設定することは、依存症の問題を改善するための一つの手段であり、それを適切に用いることで、依存症からの回復を助けることができます。

しかし、ルールだけに頼るのではなく、自身の生活習慣や環境を見直し、依存の対象以上に健康的に熱中できるものを見つけることが最終的な目標です。

ワンネス財団の相談ダイヤルは、依存症の専門スタッフに直接相談できる無料電話窓口です。
ご家族やご本人、支援者の方からのご相談を承っています。私たちに寄せられる相談は年間5000件以上。
抱えている悩みに合わせたスタッフが対応します。
電話相談の他にもメール相談、LINE相談も受け付けております。
お気軽にご相談ください。依存症は一人で抱え込むものではありません。
専門的な助けを求めることが、回復への一歩となります。

講座リンクはこちら

第1回 依存との関わり ~家族側の関わり方~(前半) | 依存との関わり ~家族側の関わり方~(後半)
第2回 セルフケアについて 1(前半) | セルフケアについて 1(後半)
第3回 セルフケアについて 2(前半) | セルフケアについて 2(後半)
第4回 家族を知る
第5回 依存との関わり「コミュニケーションのタイミングを知る」
第6回 最適なコミュニケーション
第7回 コミュニケーションガイドライン(前半) | コミュニケーションガイドライン(後半)
第8回 ルールを決める

 

出演者プロフィール

片桐 敦(かたぎり あつし)
一般財団法人ワンネスグループ 心理カウンセラー

学習塾での講師経験を経て、心理カウンセラーに。心理カウンセラー歴は18年。
クライアント向けのカウンセリング、心理学講座、また一般の方向けにアディクションカウンセラー講座などを担当。
心理療法(臨床心理)だけでなく、他の心理学の分野、脳科学など様々な方面から依存症回復支援のための具体的な方法論を初心者から、すでにプロで活躍している方にまで分かりやすく解説する指導が定評。

 

相談についてのお問い合わせ

依存かもしれないとお困りの「ご本人」へ |ワンネス財団
依存でお困りのご家族の方へ |ワンネス財団
仕事のなかで「依存の問題を抱えている方」と関わられている皆さまへ |ワンネス財団

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