依存行為を辞めさせたいと思ったら まず最初に考えること【Q&A 7】
この動画の概要
依存行為をやめさせたい
本シリーズでは、依存に関する問題でよく寄せられるご相談にお答えしていきます。
今回のテーマは「依存行為をやめさせたい」についてお話しします。
依存当事者とご家族との間でよく聞く「(依存行為を)やめるのか?やめないのか?」というやりとり。
当事者がその場だけで「もうやらない」と言い、その後も依存行為が繰り返されることがほとんどです。
同じようなご経験をお持ちの方も多くいらっしゃることと思います。
では、当事者とどのようなコミュニケーションを行っていくべきでしょうか。
具体的な手法として、「アイメッセージ」をご紹介します。
動画チャプター
0:26 やめるのか/やめないのかというコミュニケーションは意味がない
1:15 当事者にとっては避けたいコミュニケーションだから
1:50 ではどういった関わりが好ましいのか
2:21 「アイメッセージ」のポイント
2:56 まとめ
依存行為を止めさせるためのコミュニケーションの取り方
依存行為を止めさせたいという思いは、家族や友人、パートナーなど、依存行為を行っている当事者を心から思いやる感情から生まれます。
しかし、この想いから「依存行為をやめるのか、止めないのか」という直接的なコミュニケーションを取ることが多いです。
なぜ解決に至らないのか
依存行為を止めさせるためのコミュニケーションが解決に至らない理由は、依存に対する表面的な部分にだけ焦点を当ててコミュニケーションを取っているからです。
依存行為は、その背後にある心の問題、ストレス、不安、孤独感などから逃れるための手段であり、それらの問題を解決しない限り、依存行為は繰り返されます。
効果的なコミュニケーションの取り方
依存行為を止めさせるためには、効果的なコミュニケーションの取り方が必要です。
その一つが、主語を「あなた」ではなく「私」にして話すという方法です。
これは「アイメッセージ」と呼ばれるコミュニケーション手法です。
アイメッセージとは
アイメッセージとは、自分の感情や考えを相手に伝える際に、自分自身を主語にして伝えるコミュニケーションの方法です。
これは、相手を攻撃するのではなく、自分の感情や思いを伝えることに重点を置いたコミュニケーション手法です。
依存行為の背景を理解する
依存行為を止めさせるためには、その背景を理解することが重要です。
依存行為は、その背後にある心の問題、ストレス、不安、孤独感などから逃れるための手段であり、それらの問題を解決しない限り、依存行為は繰り返されます。
したがって、依存行為を止めさせたいという思いだけでなく、その背景にある問題や苦しみを理解し、それに対してどのように対処すべきかを考えることが重要です。
まとめ
依存行為を止めさせたいという思いから、どのようにコミュニケーションを取るかが重要です。
しかし、「やめるやめない」といったコミュニケーションはその場だけのコミュニケーションになる可能性が高いです。
主語を自分にする「アイメッセージ」でコミュニケーションをとることを意識してみてください。
そうすることで、相手も自分が本当はどうしたいのかということを開示してくる可能性があり、そういったコミュニケーションが取れれば、解決の方向に向かっていく可能性が高まると考えています。
最後に
依存行為に悩んでいる方、またその家族や支援者の方々は、一人で抱え込まずに、専門の相談窓口などを利用してみてください。
専門スタッフが対応し、抱えている悩みに合わせたアドバイスを提供してくれます。
依存行為は一人で解決するのが難しい問題ですが、適切なサポートと理解があれば、解決に向けた一歩を踏み出すことができます。
【Q&A短編シリーズ】
【1】どのように関わったらよいか
【2】当事者との関わり方ネーブリング(尻ぬぐい)
【3】共依存の仕組み
【4】家族間で足並みが揃っていないケース
【5】仕事を辞めずに治療に取り組む
【6】「まずは自分のケア」をお勧めする理由
【7】依存行為を辞めさせたい
【8】借金問題について
【9】暴言・暴力にどう対応していくか
【10】当事者の生きづらさを知る
出演者プロフィール
川端 理之(カワバタ マサユキ)
ワンネス財団 一般社団法人GARDEN奈良 ディレクター
18歳から薬物の乱用が始まり、大学卒業後には東証一部上場大手企業に就職。一度は薬物を断つが27歳の時に再発。
その後依存行為を繰り返し会社を退職するが、ワンネス財団入所施設で自分の生き方と向き合う。
現在は主に一般社団法人GARDENで入所者の支援、その他にも薬物乱用防止の講演会、メディアからの取材等の活動を行っている。
・リカバリーダイナミクスプログラム認定プロバイダー
相談についてのお問い合わせ
・依存かもしれないとお困りの「ご本人」へ |ワンネス財団
・依存でお困りのご家族の方へ |ワンネス財団
・仕事のなかで「依存の問題を抱えている方」と関わられている皆さまへ |ワンネス財団