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依存症 当事者の「生きづらさ」を知る【Q&A 10】

この動画の概要

本シリーズでは、依存に関する問題でよく寄せられるご相談にお答えしていきます。
今回のテーマは「当事者の生きづらさを知る」についてお話しします。

「当事者はなぜ依存行為をやめられないのか」
この疑問を”当事者の生きづらさ”という側面から、自身の体験も含めご説明いたします。

生きづらさとは?

こんにちは、ワンネス財団スタッフの川端です。
依存症という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、その実態はなかなか理解しきれないものです。
依存症は、当事者だけでなく、その周囲の人々にも大きな影響を及ぼします。

この記事では、依存症についての問題について、初心者でも理解できるように解説していきます。
特に、依存症の当事者がなぜ依存行為をやめられないのか、その原因となる「生きづらさ」について深く掘り下げていきます。

依存症とは何か

依存症とは、アルコール、薬物、ギャンブルなど、特定の行為や物質に過度に依存し、それをやめることができない状態を指します。

依存行為をすると、当事者にはそれによるメリットがあります。
それは開放感であったり、安心感であったり、快楽やワクワク感であったりします。
つまり、依存行為によって何らかの形で満たされる状態になっているのです。

しかし、この依存行為が引き起こす問題は、当事者だけでなく、その家族や周囲の人々にも大きな影響を及ぼします。

依存症の原因: バランスの悪さ

依存症の根本的な原因は、当事者の「バランスの悪さ」にあると私は考えています。

ここでいうバランスの悪さとは、依存行為以外のことで自分を満たすことや幸せを感じる機会が極端に少ない、もしくは存在しない状態を指します。

例えば、家族や友人、パートナーとの人間関係で心から喜びを感じることがない、ポジティブな感情を味わえることが少ないといった状態です。

このような状況下で生きていると、自分の人生や自分自身に幸せを感じることは難しく、依存対象のものと出会うと、その依存対象に引き寄せられ、ズルズルと依存症に陥ってしまうケースが多いのです。

このバランスの悪さが、依存症の最大の原因となります。

依存症の問題: 生きづらさの表面化

依存症になると、さまざまな問題が起こります。
しかし、これらの問題は、当事者の生きづらさが根源にあると考えられます。

つまり、依存症の問題は、生きづらさから生じる表面的な問題であり、その解決には当事者の生きづらさ、つまり日常生活の中でのバランスの悪さを改善することが必要となります。
自分の人生を再構築し、生き直す取り組みが求められます。

これは容易なことではありませんが、適切な支援と理解があれば、必ず克服することができます。

私の経験: 依存症との戦い

私自身、過去に薬物依存症に陥った経験があります。
18歳から22歳まで、そして26歳から29歳までの2度、依存症に苦しんだ経験があります。
特に後半の26歳から29歳の時期は深刻で、問題が表面化し、自分で対応できなくなるほどでした。

しかし、私が依存症から脱却し、今こうして皆さんの前で話をすることができるのは、私を見捨てず、厳しいことも言ってくれ、自分に責任を返してくれた人たちがいたからです。

その中でも、特に家族の支えが大きかったです。
家族からは、見捨てられたと感じることもありましたが、実際にはずっと見守ってくれていて、治療に促してくれました。

結論: 生きづらさの解決へ

依存症の当事者は、生きづらさを抱え、自分の問題に気づくことが難しいことがあります。
しかし、周りの人々が適切に関わることで、当事者自身が問題に気づき、治療につながるタイミングを迎えることがあります。

そのため、当事者と関わる人々には、当事者の生きづらさを見守り、適切に支えていくことが求められます。
依存症の問題は、表面的な問題だけでなく、その背後にある「生きづらさ」を理解し、解決していくことが重要です。
そして、その解決の道のりには、家族や周囲の人々との関係性が大きな役割を果たします。

まとめ

依存症は、当事者の生きづらさが根本にある問題です。

その解決には、当事者自身が自分の生活のバランスを見直し、生き直す取り組みが必要です。
また、家族や周囲の人々の適切な関わり方も、当事者が問題に気づき、治療につながる重要な要素です。
依存症に悩むあなた、またはあなたの大切な人が依存症に苦しんでいるなら、一人で抱え込まずに、ワンネス財団の相談ダイヤルにご相談ください。

依存症の専門スタッフが、あなたの悩みに対して直接相談できる無料電話窓口です。年間5000件以上の相談を承っており、抱えている悩みに合わせたスタッフが対応します。電話相談の他にもメール相談、LINE相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。

依存症とは厳しい戦いですが、適切な支援と理解があれば、必ず克服することができます。あなたが幸せな人生を歩むための一歩を、一緒に踏み出しましょう。

【Q&Aシリーズ】

【1】どのように関わったらよいか
【2】当事者との関わり方ネーブリング(尻ぬぐい)
【3】共依存の仕組み
【4】家族間で足並みが揃っていないケース
【5】仕事を辞めずに治療に取り組む
【6】「まずは自分のケア」をお勧めする理由
【7】依存行為を辞めさせたい
【8】借金問題について
【9】暴言・暴力にどう対応していくか
【10】当事者の生きづらさを知る

出演者プロフィール

川端 理之(カワバタ マサユキ)
ワンネス財団 一般社団法人GARDEN奈良 ディレクター

18歳から薬物の乱用が始まり、大学卒業後には東証一部上場大手企業に就職。一度は薬物を断つが27歳の時に再発。
その後依存行為を繰り返し会社を退職するが、ワンネス財団入所施設で自分の生き方と向き合う。
現在は主に一般社団法人GARDENで入所者の支援、その他にも薬物乱用防止の講演会、メディアからの取材等の活動を行っている。

・リカバリーダイナミクスプログラム認定プロバイダー

 

相談についてのお問い合わせ

依存かもしれないとお困りの「ご本人」へ |ワンネス財団
依存でお困りのご家族の方へ |ワンネス財団
仕事のなかで「依存の問題を抱えている方」と関わられている皆さまへ |ワンネス財団

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