依存症の治療方針に関して家族間で意見が違うときの対処法【Q&A 4】
この動画の概要
家族同士で上手くいく連携を目指す
本シリーズでは、依存症に関する問題でよく寄せられるご相談に短編動画でお答えしていきます。
今回のテーマは「家族間で足並みが揃っていないケース」についてお話しします。
家族間で足並みが揃っていないケースとは、
当事者に関する意見が、両親や親族の間でバラバラであることから問題に対して進めないケースです。
それぞれが連携しながら「チーム」として意見をまとめていくことで、改善に繋がります。
現状を打破するには、周りにも知ってもらうことが大切です。
発信して、周りの家族・親族に伝えること。
必要であれば、第三者を交えて面談し共有する必要性があると考えます。
それでは、チームとして連携を取れるようにするにはどうすればいいのか?
連携を取る際にキーポイントとなる「コミュニケーション」についてもお話ししていきます。
0:27 家族間で足並みが揃っていないケースとは?
2:41 家族でチームとして連携を深めるために
家族間で足並みが揃っていないケースについて
こんにちは、ワンネス財団の川端です。依存症に関する問題でよく寄せられるご相談にお答えしていきます。
依存症とは、薬物やアルコール、ギャンブルなど、特定の行動や物質に過度に依存し、それが日常生活や健康に悪影響を及ぼす状態を指します。
今回のテーマは「家族間の足並みが揃っていないケース」についてお話ししていきます。
家族間で足並みが揃っていないケースとは
家族間で足並みが揃っていないケースとは、依存症の当事者に対する家族の意見や対応が一致せず、問題解決に向けた行動が取れない状況を指します。
これは、家族間での意見の不一致や、理解の不足から生じることが多いです。
例えば、依存症の当事者が金銭トラブルや借金問題を抱えていたとして、その親である“お母さん”は金銭的な援助代わりに借金を返すことは、本人のためにも自分たちのためにもならないと考えている。
けれども、“お父さん”はそうは考えておらず、お互いの意見が食い違うパターンです。
そうなると解決への道が遠くなりかねませんね。
家族間で足並みが揃っていないケースの問題点
この状況が生じると、家族間の対応がバラバラになり、当事者への援助が効果的に行われなくなる可能性があります。
例えば、お母さんが当事者に対して厳しく接する一方で、お父さんが甘やかすと、当事者はお父さんから援助を受けることを選び、問題解決に向けた行動を起こさなくなる可能性があります。
このような状況は、特に祖父母が一緒に住んでいる家庭でよく見られます。
家族間で足並みを揃える重要性
依存症の問題解決には、家族全員が一丸となって対応することが重要です。
それぞれが異なる対応をとると、当事者は混乱し、問題解決に向けた行動を起こすことが難しくなります。
また、家族間で意見が分かれ、対立することで、家庭内にストレスが溜まり、家族関係に亀裂が入ることもあります。
そのため、家族全員が同じ認識を持ち、一致団結して問題に取り組むことが求められます。
家族間のコミュニケーションの重要性
家族間で足並みを揃えるためには、まずコミュニケーションが重要です。
家族全員が同じテーブルにつき、それぞれの意見を出し合い、共通の認識を持つことが大切です。
これは、家族会議のような形で行うと良いでしょう。
また、日々の生活の中で、家族全員が感じている問題や思いを共有し、それに対する対策を話し合うことも重要です。
まとめ
依存症の問題は、一人で抱え込むものではありません。
家族全員が一丸となって対応することで、問題解決に向けた一歩を踏み出すことができます。
ワンネス財団の相談ダイヤルは、依存症の専門スタッフに直接相談できる無料電話窓口です。
ご家族やご本人、支援者の方からのご相談を承っています。
私たちに寄せられる相談は年間5000件以上。抱えている悩みに合わせたスタッフが対応します。
電話相談の他にもメール相談、LINE相談も受け付けております。
お気軽にご相談ください。
以上、ワンネス財団の川端でした。また別のシリーズでお会いしましょう。
【Q&Aシリーズ】
【1】どのように関わったらよいか
【2】当事者との関わり方ネーブリング(尻ぬぐい)
【3】共依存の仕組み
【4】家族間で足並みが揃っていないケース
【5】仕事を辞めずに治療に取り組む
【6】「まずは自分のケア」をお勧めする理由
【7】依存行為を辞めさせたい
【8】借金問題について
【9】暴言・暴力にどう対応していくか
【10】当事者の生きづらさを知る
出演者プロフィール
川端 理之(カワバタ マサユキ)
ワンネス財団 一般社団法人GARDEN奈良 ディレクター
18歳から薬物の乱用が始まり、大学卒業後には東証一部上場大手企業に就職。一度は薬物を断つが27歳の時に再発。
その後、依存行為を繰り返し会社を退職するが、ワンネス財団入所施設で自分の生き方と向き合う。
現在は主に一般社団法人GARDENで入所者の支援、その他にも薬物乱用防止の講演会、メディアからの取材等の活動を行っている。
・リカバリーダイナミクスプログラム認定プロバイダー
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