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依存症 – 家族に向けた暴言・暴力にどう対応するべきか【Q&A 9】

この動画の概要

暴言・暴力にどう対応していくか

本シリーズでは、依存に関する問題でよく寄せられるご相談にお答えしていきます。
今回のテーマは「暴言・暴力にどう対応していくか」についてお話しします。

依存症当事者の方の暴言・暴力はなぜ起きるのか。
暴言や暴力で自分に向かってくる人が恐いのは当然だと思います。

まずはご自身の身を守ることが最優先ではありますが、
言いなりになってしまうことでどんどんエスカレートしてしまうことも考えられます。
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この問題は、依存症を抱える人々とその家族が直面する一般的な問題で、適切な対応策を見つけることは、健康的な関係を維持し、個々の安全を確保するために不可欠です。

ポイントとなるのは、「当事者を変えよう」という働きかけをやめること。

その上で、ご家族の方たちに気をつけてもらいたいポイントをご説明します。

この記事では、暴言や暴力の背後にあるパターンを理解し、それに基づいた対応策を提供します。

0:22  暴言・暴力が起きるシーン
0:46  暴言・暴力が起きる2つのパターン
1:43  暴力にどう対応するべきか
1:49  自分達にできること・できないことを明確に伝える
2:27  できない要求に毅然とNOを突きつける

暴言・暴力の背後にあるもの

暴言や暴力が発生する背後には、通常、特定のパターンが存在します。
これらの行動は、通常、特定の状況や関わり方から生じます。
具体的には、暴言や暴力が発生する主なシーンは、以下の2つのパターンに分けられます。

家族が当事者をコントロールしようとする関わり方からのパターン

依存症の当事者に対して、家族が強制的な介入を試みることがあります。

その時に、例えば依存行為をやめさせようと当事者を叱責したり、無理やりに病院に連れて行こうとしたりする場合に起こります。

当事者が追い詰められたと感じてしまい、これらを回避するために暴言や暴力を使うことがあります。

このパターンを理解することで、家族がどのような行動を取るべきか、またどのような行動を避けるべきかを理解することができます。

当事者が家族をコントロールしようとする関わり方からのパターン

依存症の当事者が自分の要求を満たすために家族をコントロールしようとすることがあります。

これは、当事者が自分の要求(例えば、お酒を買いたいからとお金を要求するなど)に家族が応えられなくなったときに見られます。

思い通りにならないことに対して、当事者が思い通りにしようと暴言や暴力を使うことがあります。

このパターンを理解することで、家族がどのように対応すべきか、またどのような行動を避けるべきかを理解することができます。

これらのパターンを理解することで、暴言や暴力の発生を予防し、適切に対応するための戦略を立てることが可能になります。

暴言・暴力への対応策

暴言や暴力が発生したときの対応策は、その背後にあるパターンによって異なります。
それぞれのパターンは異なる動機と状況を反映しているため、対応策もそれぞれ異なる必要があります。

家族が当事者をコントロールしようとするパターン

この場合、家族が自分たちの力で当事者を変えようと働きかけるのをやめ、自分たちにできること、できないことを明確に提示する関わり方をすることをおすすめします。

これを伝える最適なタイミングは、当事者が落ち着いているときで、関係性のある家族全員が揃っていることが理想的です。
このアプローチは、家族が当事者に対する自身の影響力を理解し、それを適切に適用することを可能にします。

これにより、家族は自分たちがどのような行動を取るべきか、またどのような行動を避けるべきかを理解することができます。

 

当事者が家族をコントロールしようとするパターン


この場合、答えられない要求に対しては毅然と断ることが重要です。

また、家のものを壊したり、暴力を振るったりする場合は、警察に通報することをお勧めします。
これは、当事者が自分の行動の結果に対して責任を持つことを強制し、その行動が受け入れられないことを明確にするための重要な手段です。

これにより、家族は自分たちがどのように対応すべきか、またどのような行動を避けるべきかを理解することができます。

それぞれのパターンに対する適切な対応策を理解し、適用することで、暴言や暴力の問題を効果的に管理することが可能になります。

まとめ

暴言や暴力は、依存症を抱える人々とその家族が直面する深刻な問題です。
しかし、これらの行動の背後にあるパターンを理解し、それぞれの状況に適した対応策を適用することで、これらの問題を効果的に管理することが可能です。

依存症に関する問題は一人で抱え込むものではありません。
ワンネス財団の相談ダイヤルは、依存症の専門スタッフに直接相談できる無料電話窓口です。
ご家族やご本人、支援者の方からのご相談を承っています。
私たちに寄せられる相談は年間5000件以上。抱えている悩みに合わせたスタッフが対応します。
電話相談の他にもメール相談、LINE相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。

以上が、暴言や暴力にどう対応するかについての解説です。この情報が皆さんの問題解決の一助となれば幸いです。
次回も、依存症に関する様々なテーマを取り上げていきますので、ぜひご覧ください。

【Q&A短編シリーズ】

【1】どのように関わったらよいか
【2】当事者との関わり方ネーブリング(尻ぬぐい)
【3】共依存の仕組み
【4】家族間で足並みが揃っていないケース
【5】仕事を辞めずに治療に取り組む
【6】「まずは自分のケア」をお勧めする理由
【7】依存行為を辞めさせたい
【8】借金問題について
【9】暴言・暴力にどう対応していくか
【10】当事者の生きづらさを知る

出演者プロフィール

川端 理之(カワバタ マサユキ)
ワンネス財団 一般社団法人GARDEN奈良 ディレクター

18歳から薬物の乱用が始まり、大学卒業後には東証一部上場大手企業に就職。一度は薬物を断つが27歳の時に再発。
その後依存行為を繰り返し会社を退職するが、ワンネス財団入所施設で自分の生き方と向き合う。
現在は主に一般社団法人GARDENで入所者の支援、その他にも薬物乱用防止の講演会、メディアからの取材等の活動を行っている。

・リカバリーダイナミクスプログラム認定プロバイダー

 

相談についてのお問い合わせ

依存かもしれないとお困りの「ご本人」へ |ワンネス財団
依存でお困りのご家族の方へ |ワンネス財団
仕事のなかで「依存の問題を抱えている方」と関わられている皆さまへ |ワンネス財団v

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